動物病院日記

動物病院の院長日記

避妊手術

今日の新聞に「医療ミスで獣医師に93万円賠償命令」という記事が載っていました。
ネコちゃんが避妊手術で3日後に死亡したのだそうです。
こういうケースで賠償が認められる事は今まであまりありませんでした。
ネコは法律上「器物」扱いだったからです。でも近年、命を持った存在として、
法律解釈上も扱うように変化がみられています。
我々獣医師も、なお一層真剣に取り組まなければなりません。

避妊手術というのは、普通の手術と違って元々健康な動物に行う手術ですから、絶対に元気で生きて退院するべき手術です。
日常的に行われている為、つい気楽に考えている獣医師も少なからずいますが、
とんでもない事だと思っています。
術式は決まっていますが、内部生殖器は個体差や生殖周期によって変化しますから細心の注意が必要です。
また麻酔の管理は1秒たりとも気が抜けません。

知り合いの獣医師で、避妊手術の失敗(死亡)例を冗談交じりに話すとんでもないヤツがいます。
彼は避妊手術でたまに死ぬのは当たり前と思っているようでした。
私が、うちでは1匹も死亡した事は無いと言うと、不思議そうな顔をしていました。こういう人が普通に開業しているとは本当に情けない事です。(もちろん数は少ないですよ。大部分の獣医さんはここまで酷くは無いです!)

…つい興奮して長くなってしまいました。
乱文失礼しました。